弁護士への「離婚・男女問題」に関するご質問
単身赴任先で夫が会社の部下と不倫関係になり、弁護士を通じて離婚を求めてきました。まだ小学生の娘がいるので、できれば離婚に応じたくはありませんが、弁護士から強く求められていて応じるしかないという気持ちになっています。どうすればよいでしょうか。
弁護士からの回答
離婚の原因を作り出した当事者を有責配偶者と言います。
有責配偶者の離婚請求については、原則として認めないというのが最高裁判例です。
原則として認めないけれど、例外的に
①別居期間が両当事者の年齢及び同居期間の対比において相当の長期間に及び、
②夫婦の間に未成熟子が存在しない場合には、
③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態に置かれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反すると言えるような特段の事情が認められない限り、
有責配偶者からの離婚請求が認められる場合があると示しました。
未成熟子というのは、独力で生活する力の備わっていない子のことで、成人年齢とはイコールではありません。
本件では、娘さんが未成熟子にあたるので、夫側が裁判で離婚を求めても認められない可能性が高いケースです。
裁判所が認めない類型であるとしても、双方が合意さえすれば離婚は有効に成立しますので、夫の弁護士としては強引に交渉で離婚に応じさせようとしているわけです。
十分争う余地がありますので、押し切られてはいけません。ご相談ください。